平穏が脆弱だなんて、嫌というほどに理解していた。
だけど…それでも。
誰にも知られることなく…“裏切り者”達の物語が葬られて数年…。
英雄が、天使が姿を消して僅か二年。
厄介な存在がいなくなった。そう言いたげに…各地で歪みが溢れ出す。
降り注ぐように訪れる死と流血。
黒い心根を秘めた視線。
憎悪は悲劇を生み、そこから新たな憎しみが生まれ、再び悲劇を生む負の連鎖。
疑心が疑心を生む綱渡り的な付き合い。他国など、心底から信じることなど出来ない。
本当の平穏なんて、ごく一部にしか無くなった世界に。
ヒト同士の歪みに覆われて、夢や希望が消えうせそうなこの世界に。
…………“それ”は現れた。
圧倒的な力で、今なお兄弟同士で争うヒトを滅ぼさんとする者。
降伏など認めることなく…僅かな憎しみをもってヒトを殺す者。
世界の…いや、ヒトの危機に際して。
頼る者もすがる者もなく、絶望に呑まれながらもヒトは抗う。
「何もせずに確実な滅びを待つよりも、せめてやれるだけのことをする…それだけだ」
そして、“彼女”らは…。
「…行く、か。せめて、今生きてる奴と…死んだ奴が好きだった居た場所くらい、守らねぇとな…」
「名前も、顔も知らなくても…ヒトがたくさん死ぬのを、見過ごせないのだ!」
「…今の私には…決めることが出来ませんから…」
「もう…嫌なんです。戦うのは、…誰かに…親しい人に死なれるのは…」
流されることなく、自らの意思でこの流れに呑まれるか、抗う。
そして、知ることとなる…ヒトの敵たる者達が、何者なのか…。
――Treachery――
「こんなこと…許されないだろうね。例え、神様でもさ…」
『金色の魔獣』が見つめる先に。
『亡霊』が望む世界があるのか。
『双剣の騎士』が望むものがあるのか。
『無垢な手』は何を掴むのか。
『道無き旅人』は何を得るのか。
※作者注
エメミスのリンク先の一つ、『☆えんじぇる〜ん☆』に押し付けた長編と一部リンクしています。
が、そちらを知らずとも分かるようにします、というか、何とかします。
お暇があれば、是非とも行ってみてください、管理人・にゃーさんの素敵絵が見られるサイトですw
なお、本編内容が予告とずれていたり、若干違っていく可能性もあります(ぇ
その際はご了承ください(マテ